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beachmolluscさんのコメント(2009年01月21日 09:29)
諏訪さんのご説明で、見ていて不思議だったことの一部は理解できましたが、あらたな疑問が浮かび上がりました。
まず、防波堤ではなくて、防砂堤ということであれば、もともと漂砂を止めるための構造物として設計されたと理解できました。そして、積み重ねられた観測データがあり、砂の堆積速度が港湾建設に先立って、あらかじめ予測されていたこと、さらに明治時代以降の港湾建設の経験で現場の堆積の「激しさ」が認識されていたが、その問題は海岸工学的に克服できることを前提にして防砂堤を「天然の悪港」をあえて建設したという流れですね。
空中写真で見ると、30あまりの人工ヘッドランドがその近接した周辺の部分で砂の堆積状態を見せていますから、その分が漂砂から足止めされたことも理解しています。示された報告から、量的には約半分が止まっているということでしょうか。本質的な問題は、スピードは落ちても一方的に流れ続けることなので、リサイクルなどが必要になっている、という結論ですね。
理解できないことは、なぜ砂浜に「埋没」することがあらかじめ予想されていたはずの突堤を防砂堤のすぐ南に建設したのか、さらに、それを埋没がまじかになってから「ヘッドランド」型に先端部を改造したのか、ということです。
1940年代からの空中写真で時系列的に見れば、1980年代初頭の時点でこの突堤を建設することの無意味なことがわかっていたはずです。
>現在までにHL(ヘッドランド)を建設していなければ、侵食域の拡大と港内の航路埋没がさらに深刻化していたことになる」
これですが、建設した費用対効果は計算されているのでしょうか。建設しても「深刻」な問題が続いていることは事実であって、軽減されているとされた貢献の程度はどのくらいなのかわかりません。
これとよく似た議論が「松枯れ問題」で行われています。薬剤散布をしなければ松枯れが広がる、といわれて、全国的に続けられ、結局は多くの場所でトコトンまで松枯れが進みました。それをやっていなかったらもっとひどかった、という議論は、ひどい結末が少し先送りされただけ、のように思えます。
もう一点ですが、
>漂砂移動の限界水深7m程度より深い水深6~12mの領域でも堆積が生じていることがわかります
限界水深とされている水深は平常時、つまり嵐による波浪が無い状態での「穏やかな」沿岸流による砂の移動限界の水深と考えてよいでしょうか。
限界水深は場所により、波浪環境や地形により変化すると想像していますが、海岸工学では、どこかで観測された少数の例をもとに一般化された数値を使っているように思われますが、違いますか。
鹿島灘沿岸は海底地質調査が詳しく行われていると思います。この海域の堆積環境や海底の流れの実態も相当詳しくわかっているはずですが、諏訪さんが紹介された報告だけでしょうか。
鹿島灘海底地質図 <海洋地質図 No.27> 産業技術総合研究所
これは沖合いだけですが、大陸棚部分の状況がかなり読み取れます。
津幡紀昭、大嶋和雄(2000),鹿島灘ヘッドランドの漂砂制御効果,日本応用地質学会研究発表会講演論文集,2000,321-324.
日向野崇、大嶋和雄(2001),鹿島灘海岸の沿岸浸食と堆積物分布,日本応用地質学会研究発表会講演論文集,2001,67-70.
検索によって上のような報告も見つかります(本文は見ていません)。応用地質の研究者と海岸工学の研究者は情報交換を続けているのでしょうか。諏訪さんがこれらの文献を示されていなかったので気になりました。
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